マルハニチロ農薬検出問題で、同社の契約社員が逮捕されたことを受け、社長が引責辞任するらしい。
マルハニチロHD社長「痛恨の極み」引責辞任へ(YOMIURI ONLINE)
会見で、久代社長は次のように語っているらしい。
「容疑段階だが、事実なら、グループ内に悪質な犯罪行為に及ぶ人物の存在を許したことは痛恨の極み」
その他、両社長を含むグループ役員計8人の役員報酬を1~3か月間、20~50%削減することも発表したそうだ。
これって、会社の責任??
部下の失敗に対して、上司が責任を取るのは分かる。業績不振で部門長や社長が引責するのも分かる。でも今回の件は、単なる『犯罪』でしょ? 会社というものが道徳や法律を教える場所ならば、責任を取る必要があるかもしれない。しかし会社はそういう場所ではない。働いて、利益をあげる場所。
だいたい、社員が数千数万にもおよぶ会社のトップが、社員一人一人のモラルまでコントロールできるはずがない。もしそんなこと可能ならば、とっくに教育は完成されており、学校はヒマワリやパンジーが咲き乱れるお花畑のような世界になっているだろう。何事にも、限界というものはあると思う。
むしろ会社として責任を取るべきことは、「社内に悪質な人物の存在を許したこと」ではなくて、そういった人物が仮に存在したとしても、「容易に犯罪行為におよぶことができないようなシステム・体制が構築できていなかったこと」じゃないのかな? 性悪説的な考え方だけど、会社が取れる再発防止策としては最も妥当な対策かと思われる。そして、そのために尽力するのが正しい責任の取り方じゃないのかな。
自分がフリーランスだから余計に感じるのかもしれないが、日本は会社が背負っている責任が大きすぎるような。社員のお給料だけじゃなく、人生まるごと面倒見ましょ、みたいな風潮があったわけで。会社という大きな円の中に、個人という小さな円がたくさんあるという図式。でも現在は人も働き方も多様化してるんだし、もう少し個人と会社を切り分けていかねばならないのでは? 個人という大きな円に、会社という小さい円が外接しているような図式ぐらいで、丁度いいんじゃないの。