「見積もれません」というのはウソ。俺の上司はこう言った。


「この機能どれぐらい実装できる? 見積もって。」と頼むと、「いや〜、かなりややこしい仕様だし・・・ブツブツ・・無理っすね!」みたいなことを言うエンジニアにたまに遭遇します。見積りが・・・無理だとぉ?? 一体、本当なんでしょうか。

「見積もれません」というのはウソ

これは昔、私が上司から教わった言葉です。当時私はSEになりたてホヤホヤの新人で、彼は私の人生最初の上司でした。かなり破天荒なタイプで、SEとしては型破りな性格だったと思いますが、色々なことを私に教えてくれました。(当時は嫌いだったけど)

これは、そんな破天荒上司の教えの中の1つです。

「見積りができない、とか言う奴がたまに居るけど。ありゃウソだね。もしそんな奴にあったら、こう聞いてやったらいい」

「見積もれないの? ・・・じゃあ、今日中に実装完了できる?」

「今日中って! できるわけないじゃないすかw」

「じゃあ、1年あったら?」

「ハハ、さすがにそんなにかかりませんよw」

「じゃあ、明日中に完了して」

「明日中なんて無理っすよ」

「じゃあ、3ヶ月あげる」

「そんなにかからないと思いますけど・・」

「今週中なら?」

「え〜と・・・もうちょいあれば・・・」

見積もりに幅があっても、それも見積もり

結局のところ、厳密に「X人日!」と見積もるのが難しいことを「見積もれません」と言っている輩が多いということです。そもそも見積もりなんて、規模が大きくなるほどズレやすいのは仕方がありません。また、技術的な不確定要素(例:新技術を使用すると、もしかたら一瞬で実装できる「かもしれない」等)が大きい場合も、見積もりには幅がでます。これは当然のことだと思います。

ポイントはその幅も見積もりとして重要な情報であるということです。例えばプロマネが「3人日〜20人日」という幅のある見積もりを聞いたなら、そこにはきっと不確定要素が詰まっているはずだと感じるでしょう。それについてヒアリングしたり、場合によっては技術的素養の高いメンバーに不確定要素を払拭するタスクをアサインするかもしれません。要するに、手が打てるのです。

しかし、「見積もれません」という全くのクエスチョンマーク、null、undefined な回答をされちゃうと、指揮する側としては、もうどうしようもないですよね。「分からないと言われちゃうと、俺もどうしたらいいか分からない・・・」という状況に陥ってしまいます。

不可能を排除する

正確に見積もろうとすると、完璧な正解を求めたくなってしまいます。それが見積もりを難しく感じさせます。上司の教えのように、不可能であることを排除していくアプローチで見積もってみると、意外とすんなり見積もれたりしちゃいます。もし自分が見積もれません坊になっちゃいそうな見積もりタスクに遭遇したら、是非このアプローチで自問自答してみてください。

もちろん、見積もりに大きな幅が出るかもしれません。しかし上司曰く、まずはそれを気にしないとのこと。その幅を縮めるのは、そのSEの経験でしかない

 

あのオッサン、今頃何してるかなぁ・・・

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